堺一文字光秀
尺の柳刃を2丁、V10の霞と白二鋼の水本焼きをネットから注文しました。
V10はさっそく自分の使い勝手に合わせて研ぎ、何度か使いました。
どこまで薄く研げるか限界まで試しました。
非常に分かりやすい(使いやすい)包丁です。意外だったのは研ぎで
自分が持っているどのステン系の包丁より研ぎやすい、と言うか
好みに合わせて研げる素材でした。
鋭く滑らかに仕上げたいと思えば天然の合わせ砥で素直に仕上がるし、
きりっとしたかかりで切り込もうと思えば、やや荒めのセラミックの5000番で
イメージ通りに研ぎ上がります。
青二の本焼きと比べても切れ味に遜色はありません。
V10の本焼きだったらどうなんだろうと言う気がします。
40名さまの刺身を引くと、今の柳刃では最後の方で二丁目に持ち替える場面がありました。
このV10では苦もなく引き終え、このまま次の日も砥石を当てないで使えるくらいです。
もう一丁の白二の水本焼きは、少し気になる部分があったので使わずにメールをしたところ
「確認するのですぐ送り返して下さい」と言われました。
その後の対応は素晴らしかったです。なぜそうなのかという技術的な説明をしていただき、
結局別の一品を送っていただく事になりました。
すでに「南風」の二文字が刻まれた包丁だったのでちょっとした修正で済むと思っていたのに
予想外の対応でした。
メールから勝手に引用します
使い手に合わせるのが 道具を作る者の役目であると思います。
仰っておられるように 作った道具を生かすも殺すも使い手にかかっていますからできるだけ
御要望にあわせた包丁を作っていきたいです。
どんなささいなことでも おっしゃっていただけましたら職人に伝えまして勉強させて頂きます。
以上引用
高価な道具なので店頭で手に取ってと思いましたが、なかなか時間が取れずにネットからの注文でした。
包丁の問題と言うより、どちらかと言えば個人の好みの範疇でした。
些細な事でメールなどせず日々の研ぎで自分の好みに育てた方が良かったかもしれません。
鍛冶職人、研ぎ師など幾人もの人が丹精込めた一丁の柳刃が廃棄されるかも、と思うと後悔が残ります。
堺一文字光秀・・・研ぎすました切り刃のような緊張を持って商いをしています。
自分も常にかくありたいと強く思います。
2011年 8月 29日 | Shop & Travel