頭の中の「?」
二日ほど所用でお江戸をうろついていました。
一流企業のビルの谷間を歩いている自分がいました。
この街はたしかに多くのものが生み出されているけど
失われたもののなんと多いことか、などと、ぶつぶつつぶやきながら。
どこを歩いても堅い地面、確かに風は吹いているけれど
葉ずれの音も無ければ水の煌めきも無い。
人の流れの中に混ざっていても、皮膚でしか感じられない風に
自分一人だけ浮き上がっているような気分になりました。
ここに来た時のいつもの感じですが、田舎者には、なにか居づらい街です。
たぶん田舎者のコンプレックスなのでしょう。
泊ったのは品川で、それなりのホテルでした。
フロントマンは笑顔を絶やさず動作にそつがなく流れるような対応です。
しかし自分の頭の中に、また「?」が点灯します。
部屋には寝心地のよさそうな大きなベッド、磨き上げられた浴室、清潔なアメニティー
たしかにHPで紹介している通りの部屋でした。
それ以上でも以下でもない計算し尽くされたサービスです。
料金とサービスに不一致はないのに、なぜか満たされません。
「これ以上、自分は何を求めているんだ」という自問の中で寝心地の「よさそうな」
不必要に大きいベッドで眠りに落ちました。
どうもこの街に来ると思考が身体から3mくらい離れてしまいます。
目に映る風景に自分まで割り込んでくるというのは、なんともイヤな気分です。
改めて「宿とはなんだ」と考えさせられたお江戸でした。
2011年 9月 09日 | Others and Pet is Famlly