Others
ついに矢穴石が名古屋へ出発しました。
今も残る300以上の矢穴石のうちから運搬手段、姿、大きさから8トンの石が選ばれました。
名古屋城築城のおりには島の形が変わるほど膨大な量の石材が切り出されました。
子供の頃から「名古屋城の石垣は篠島の石でできているんだぞ」と島の長老から
何度も聞かされた風景が今日はカラー映像のように鮮明に思い出されます。
「篠島に多く残る矢穴石の一つでも名古屋城へ展示できたら・・・」と、初めて聞かされたのは島の石橋さんからでした。
篠島が国定公園に指定されていること、一方、名古屋城も文化財であることから
それは難しいだろう、と言うのが実感でした。
それでも石橋さんはどうしても名古屋城を訪れる人たちに名古屋城を支える
石垣の歴史を知ってもらいたいという情熱から、孤軍奮闘で各方面に運動をされました。
一条の光りが見えた頃には、篠島漁協、南知多町、篠島区、観光協会を巻き込んだ
大きなうねりとなっていました。
個人の情熱から始まった篠島矢穴石を名古屋城へという願いが、多くのハードルを越えました。
名古屋城があるかぎり、この矢穴石は、見る人に遥か昔の築城風景を想像させるでしょう。
石橋さんをはじめとして、この運動に奔走した島民と南知多町の支援には感謝しかありません。
23日に名古屋城で行われる引き渡し式では、石橋さんの晴れがましい顔をちょっとのぞいて
幸せを味わいたいと思います。
2012年 9月 18日 | Others and People | 8トンの矢穴石とそれより重い想い はコメントを受け付けていません
猛暑、残暑と言われながらも篠島の朝夕は秋らしい心地よさを感じます。
慌ただしかった夏も終わりようやく時間も余裕ができ
気持ちもゆったりしてきました。
おんべ鯛祭りなど、秋のイベントが始まるまでのひとときのティータイムです。
この時期はまだ午後から安定した南風が吹きます。
心地よい篠島を演出する風なのですが、ちょっと迷惑なお土産もあります。
ほとんどがアジモという海草です。
魚の産卵場所となる大切な海草ですが、荒れた日に海底から離れ
漂って渚に漂着します。
自分も含め島民にはさほど気にならず渚のアクセント程度に見えますが
やはりお客さまからはゴミにしか見えないでしょう。
天気図で「今夜は北西の風が吹きそうだ」と考えたので
明るいうちにペットボトルやスチロールの破片など人工のゴミだけ
さっさと拾い集めておきました。
そして先ほどアジモなど海草類を小潮でも波が来る海際までおろしておきました。
涼しい時間帯なのでほんの30分程度の鼻歌仕事です。
予想が当たれば明日は、渚からき海草がれいさっぱり消えているでしょう。
今年は数回やってみました、確率は半々くらいです。
明朝の渚が楽しみです。
2012年 9月 11日 | Ecology and Others | 渚の海草 はコメントを受け付けていません
長く使った身卸出刃がちびたので、新たに購入しました。
下が新しい8寸の身卸出刃です。上は本出刃で、こちらも元は8寸ですが
3センチほど短くなっています。
出刃には、本出刃、中身出刃、相出刃、身卸出刃などの種類があります。
切り刃の形状も違いますが、おおむね刃の厚みの違いです。
これはメーカーで差があり、鍛冶屋さんが相出刃として作れば相出刃
身卸として作れば身卸出刃となります。
今回の身卸出刃は白二鋼です、錆びないイノックス、V10、モリブデン鋼などもあり
迷いましたが、オーソドックスな白二鋼にしました。
10年以上使った本出刃も白鋼ですが、改めてながめても
磨きにくい柄付近に浅い錆びが見える程度なので、白二の霞にしました。
高価な本焼は最初から選択肢外でした、出刃には本焼のメリットが見つけられません。
鏡面仕上げも、本刃付けも鞘も不要、朴の柄にして値打ちに入手できました。
鍛冶屋さんから出た包丁が刃付け、研ぎ、柄付けなど手間をかけるほど高価な包丁になります。
いつもの例で刀身さえ信頼出来る鍛冶屋さんならいいという考えで購入しました。
手にして眺めると、切っ先から4センチくらいのアールの通りがイマイチで
砥石に当てると、やはり違和感がありました。
方法は二つで、一つは微かに出たアールを研ぎ切ってしまうか
先端のシノギをほんの少し上げるかです。
現状の裏のいいラインを崩したくないので後者の方法で研ぎ始めました。
ダイヤモンドの400番で切刃のムラを抜き、シノギの先端を2ミリほど上げました。
普段は本焼、V10、モリブデンの柳刃を研いでいるの砥石なので楽に研げます。
比較的研ぎやすいイノックスより研ぎやすいです。
ただし、今の時点で鋼の硬度はかなり高く、一皮剥けるまでは研ぎ、使用ともに気を使いそうです。
ダイヤモンドの400番→セラミック400番→セラミック1000番→セラミック3000番で研ぎ進みました。
ベタ研ぎのままではあまりに弱々しいので、糸引きと言うより二段刃にして裏もやや広げました。
出刃の仕上げはセラミック3000番で終えるのが普段の研ぎですが
最初なので8000番の北山で裏表とも仕上げ、最後にアゴを少し丸めました。
二カ所ほど微かに残ったエクボは、ご愛嬌。
金属臭が移らないように丹念に洗い、さっそく鯛をさばいてみました。
本出刃と比べ、切っ先が骨に当る感覚が敏感で思い通りに三枚おろしが出来ます。
薄い刀身と魚に切り込切っ先の角度の差でしょう。
また8寸という長い刃渡りはスピードアップになりそうです。
スリムな刀身は身割れしやすいスズキの頭付近やサワラの三枚下ろしに活躍するでしょう。
本出刃と身卸出刃の厚みの違いです。
日本の包丁の種類の多さは他の文化圏に例がありません、ウナギ割きや鱧の骨切りなどといった
ただ一種の魚の一つの用途だけのための包丁も多くあります。
道具への徹底したこだわりや愛情、命をいただく魚への敬意と感謝は
日本人に残された数少ない美徳の一つと思います。
明日はこの新しい相棒で大型スズキ、ヒラメ、カンパチをさばきます。
2012年 6月 01日 | Others | 新しい相棒 はコメントを受け付けていません
島で話題になっているお客さまがいます。
まずデカい鯨、昌明丸8号さんからの情報では、ここ数日大型の鯨が姿をみせているそうです。
船体よりやや長めというので15m前後の大型です。
発見場所は小磯指し(こいそざし)ポイントなので南風から野島方向へ1キロくらいでしょうか。
気をつけて観察していれば宿から肉眼でも十分見えるはずです。
携帯カメラで撮影したのに潜水する尻尾だけで「動画で撮れば」と悔しがっていました。
一本釣り大ベテランの昌明丸8号さんでも内湾では初めて見た大きさだったそうです。
もう一つのお客さまは渚の海ほたるです。
この時期によく見る夜光虫と思っていましたが、刺激での点滅ではなく常時点灯です。
南風前の渚の波打ちぎわで、あちこち青く光っています。
大きさは米粒よりやや小さめです。
鯨はさておき、海ほたるは誰でも観察できますので
島へお越しのお客さまはぜひ見て下さい。
・・・追記
新聞報道によるとコククジラだそうです。
個体の少ない貴重な種類で、佐久島の近辺でも目撃されました。
2012年 3月 30日 | Others | 海のお客さま はコメントを受け付けていません
メルマガ・・・なんとうっとしい響きでしょうか(笑)
でも最近、南風に必要なことだと考えています。
なぜメルマガか?
南風メルマガ発行の意味について述べさせて下さい。
南風は不景気と言われ久しいこの時代でもおかげさまで
多くのお客さまに恵まれ充実した日々を送らせていただいています。
毎年同じ季節にお越しいただいているお客さま、一年に何度かご利用いただいているお客さま
・・・ご家族と一緒であったりとかお友達とのご利用です。
でも時に「あのお客様はたしか以前もご利用いただいたよね」という会話があったりします。
これは本当に申し訳ないことです。
口数も少なく目立たないご家族やグループだったりします。
このようなお客さまこそ南風が最も大切にしてきたお客さまです。
どのお客さまも大切です、でも二度三度と訪れていただけるお客さまは二重に大切です。
なぜならそのお客さまは南風のすべてをご理解してお越しいただいているお客さまだからです
そのようなお客さまには、たとえわずかでも+アルファのサービスを感じていただけたらと思います。
南風が広告を最小限に抑え、旅行会社への出稿もしないのは
お客さまのご予算をけっして無駄にしたくないからです。
時代が変わっても南風の変わらぬ姿勢です。
南風はネットで偶然サイトを見つけていただいたお客さま、知人からのご紹介のお客さま
そして島内からのご紹介のお客さまに支えられてきました。
親父は口癖のように「縁」と言っていました。
この「縁」で南風は成り立っています。
この「縁」をもっと大切にして確実にお客さまへのサービスに反映さるため
メルマガの発行を始めました。
いや、「始めます」ですね。
メルマガではHPには掲載出来ない事などもお知らせします。
登録をしていただいたお客さまは、この時点ですでにリピーターさまと同じと考えます。
しかしながら
システムは整えましたがメルマガ第一号の作成に七転八倒しております。
メルマガ会員さまが一人増えるごとに南風が篠島に在る理由、
宿を営む正当性を重く考えてしまいます。
11月中旬発行予定であった初回号が遅れていますが今しばらくお待ち下さい。
2011年 11月 23日 | Others | メルマガ発行の意味 はコメントを受け付けていません
17日は大物は無くクロダイ、真鯛、スズキ、カワハギ、マナジと節操のない釣りでした。
今日(19日)は4.1キロの真鯛がありました。
小さなアタリに合わせた瞬間に7ヒロで持っていた道糸が25ヒロまで吹っ飛んで
道糸が乗っていた左手人差し指を糸でぱっくり切られました。
鯛は3〜4キロサイズが一番元気があります。
6キロを越えるとパワーはありますがスピードより重量感となります。
難しさはどちらも同じで、釣り上げるまで一つでもミスをすれば逃げられます。
取り込み中の雑念は禁物ですね、「これを上げれば今日は大漁」とか
道糸からガリガリと音がすると、「針を噛まれて折れないか」不安になったりと
余計な事が頭に浮かぶとヘマをやらかします。
無心で船縁まで寄せて「気が付いたらタモに入っていた」が理想です。
なんとか欲や雑念を無くしたいと思うあまり、欲を捨てようという欲が出る。
まだまだ修行が足りません。
ほとんどカラになっていた水槽がまたにぎやかになりました。
秋に釣れる魚はどれも旬ですが味に関しては今年のハマチは当りです。
脂の乗りが良く、皮を引くと完璧に銀が残ります。
見た目も味も篠島の今年のハマチは最高です。
今日は4.1キロが一番の大物で、黒鯛、スズキ、ハマチ、マゴチ、メバル、銀フグ
モフグ、カワハギ、マナジなど40くらいありました。
潮はぬるいので一日中ふかせ釣りで撒き餌は海面からでした。
ふかせ釣りは、魚との距離を一番短く感じます。
2011年 10月 19日 | Ecology and fish on ! and Others | 南風丸 篠島沖 10月17と19日釣果 はコメントを受け付けていません
今日は観光協会で「しびやの浜」を掃除しました。
篠島には海水浴場として有名なさんさんビーチの他にも
三つの砂浜があり海水浴で賑わう夏でもプライベートビーチとして
楽しめるような隠れスポットがあります。
今回はその一つ「しびやの浜」です。
台風で寄り付いた流木などの撤去を行いました。
陸路では運べないので「旅館おかださん」の漁船と「民宿一栄さん」と
「ホテル海原さん」の釣り船、そして南風丸の出動となりました。
100mにも満たない小さな渚でも船で、のべ12往復
軽トラで20杯くらいありました。
どうなんでしょうか?
人が立ち入らない静かな渚は個人的には自然が集めたものは自然にまかせる。
海面を漂う流木は色々な魚のゆりかごとなり、やがて沈んで海の栄養となります。
流木が寄り付くのも、また流れ去るのも人の手を加えないで
ペットボトルや加工された木材など人工物だけの撤去でいいのでは、と思います。
いろいろな意見があるから世間は面白いですね。
2011年 10月 18日 | Others | 流木が大漁です はコメントを受け付けていません